【プロが語る】マジックの初心者、中級者、上級者の違いとは?

マジックの練習を続けていく上で、自分の実力がどの程度あるか、というのは興味があると思います。

スポーツでも、音楽でも、料理でもそうですが、初心者、中級者、上級者と実力の差を測ったりしますよね。

では、マジックの場合は何を指標にすればよいのでしょうか。

これまでマジックを指導してきた経験から、マジックの初心者、中級者、上級者の違いについて私の考えをご紹介します。

単に技術の差だけではない

勝敗のあるスポーツや、ゲームなどは実力の差はわかりやすいと思います。

一定のルールがある競技では、AさんよりBさんは強いや上手いと表現することができます。

ですが、受け手によって印象が大きく変わってしまうマジックに関しては、単一的に比較することができません。

絵画や書道、音楽、造形物など芸術やアートに関するものは、多くの場合同じことが言えます。

絵が上手いということを指標にするなら、人間は印刷物には勝てないでしょう。

ですが、やはり「人間が書いている」が書いている、ということに何かの意味を感じるので、人間の絵は人を引き付けるわけです(印刷物が人を引き付けないという意味ではありません)。

私は、時間の厚みが人に感動を与える大きな要素の一つだと考えています。

人は自分の中にあるものさしでしか、物事を測ることができません。

人は人生を歩んでいく中で、たくさんの経験をし、価値観を成長させていきます。

時間の経過は一定なので、同じ年月を過ごした人には、平等に、同じだけの時間が与えられます。

なので、何かの物事を測るときに、時間で測るということが原始的でわかりやすいのだろうと考えています。

私にとっての5分間という時間の長さは、このブログを読んでいるあなたの5分と同じ時間の長さです。

仮にこのブログを私が5分で書いた、ということが分かれば、自分の5分間という時間と比較して、ぼんやりと努力の量がわかってきます。

その努力の量に人は感動するわけです。

もちろん、それだけでは決してなく、絵であれば色遣いや筆のタッチ、デザイン性、モデルの捉え方など、指標は複雑でたくさんありますし、見ている本人でさえ自覚しない良さがあるものです。

ですが、時間を比べるということが単純でわかりやすく、年齢や性別の差もないので多くの場面で使われていて、それがたくさんの人から評価を受けることにつながるのだろうと考えています。

技術は知識がなければ認識することができません。

スポーツ選手が軽く動いているように見えていても、そこには複雑なで高度な技術が使われているわけですが、それを未経験の人が正確に見抜くのは難しいです。

マジックは、その技術を意図的に隠しているわけですから、それを正確に判断するのはなおさら難しいということになります。

単に知識量の差だけではない

マジックの知識の量で測るのはわかりやすいかもしれません。

知識の量も一つの指標です。

ですがマジックはそれだけではありません。

マジックのタネを知ってさえいれば良いのでしょうか。

知識の量ももちろん大切ですが、マジシャンという視点で見たときは、マジックが演じられるという点も大切です。

タネを知っているだけの人というのは、意外と存在します。

そこに至るまでの過程に違いはあります。

積極的にタネを知ろうとした人もいますが、たまたま知ってしまった、あるいはわかってしまった人もいます。

消極的な理由で知ってしまった人は、そもそも初心者とさえ言えるのかわかりませんよね。

なので、単純に知識の量だけでは測ることはできません。

マジックに対する目的の達成度合いで測る

「マジックを演じる」という目的で考えたとき、マジックが演じられるようになることに対する達成度合いで測ることができます。

初心者は、まずマジックにはどんなものがあるのか、それはどうやって学べるのか、どうやって習得していくのかがわかりません。

そこから、テレビでマジックを何回も見たり、マジックのショーを見たり、本屋さんでマジックに関する本を探したりするでしょう。

マジックに関する情報を無差別に吸収しようとして、たまたまマジックのタネを知って、マジックができるようになることもあります。

このように、自分の行動をマジックが習得できるように変えていく段階を、私は初心者と呼んでいます。

マジックの情報を求めて、本屋さんを巡ったり、ネットで情報を集めたりして、マジックショップに出会っていくことになるでしょう。

この段階になると、自分の覚えたいと思ったマジックに、積極的にアプローチをかけることができるようになってきます。

そして、自分が意識的に習得しようと思ったマジックが習得できる段階を、私は中級者と呼んでいます。

自分で必要な情報を得ることができ、そこで得た情報を基に、自分でマジックを習得することができる段階です。

マジックを誰かから学ぶときも、自分が学びたいマジックを選び、それを教えてくれる講師を探し、その講師からマジックを学べたとときも中級者と言えます。

中級者の幅がものすごく広いということになります。

これを覚えたい!と思って、それのタネを調べて、マジックの練習をして、結果的にそのマジックを覚えられたら中級者です。

趣味でマジックを始めた人のほとんどが中級者になっていきます。

では、上級者はどうなるのでしょうか。

私は、新しい価値を生み出すことができる人を上級者と呼んでいます。

新しい価値の方向性はたくさんあると思います。

新しい手順、新しい原理、新しい技術などは想像しやすいですね。

それのほかに、その人が演じるマジックを見て感動したり、楽しくなったり、ポジティブな感情を生み出すことも、新しい価値を生み出すことです。

価値があるということは、必要としている人がいるということです。

あなたのマジックが求められたとき、あなたは上級者と言えるでしょう、という考え方です。

なんとなく腑に落ちないかもしれません。

マジックの上級者といえば、マジックの知識もたくさんあって、マジックもとても上手で、演技もとても面白いというようなイメージでしょう。

確かにわかりやすい上級者だと思いますが、このイメージだけだと、そこをどうやって目指していいのかわかりません。

初心者、中級者、上級者の違いを認識することは、自分のレベルがどの程度あるのかを考えることに役立ちます。

その時に、イメージがふわっとしていると自分のレベルを測りきれません。

マジック上級者は、マジックができるだけではダメなのです。

マジックを演じることで、そこに価値が存在しなければなりません。

少し違いますが、わかりやすく言うと、その人のマジックを見たいと思ってもらえるかどうか、ということです。

プロマジシャンは、その人にマジックを演じてもらうことに価値があるので、プロマジシャンになることができたわけです。

ここでは、マジックを演じるという視点で見ていますが、新しいマジックを生み出すマジッククリエイター、マジックの理論や歴史になどを解明するマジック研究家なども同じで、彼らが残す作品や研究結果はマジシャンにとって大きな価値があるので、上級者と言えます。

そもそも、マジックを深く知らなければ、そういったものは残せないですしね。

まとめ

マジックの初心者、中級者、上級者の違いは、単に技術が巧みであることや知識が豊富にあることだけで測るものではありません。

マジック初心者は、マジック未経験の頃からマジックの情報を積極的に集めようとしている段階。

マジック中級者とは、自分が意識的に習得しようと思ったマジックが習得できた段階。

マジック上級者とは、人から求められるような新しい価値を生み出すことができる段階。

マジックは見る人が居て初めて成立します。

マジシャン一人では、パズルでしかありません。

見てくれている人が居るという意識をもって練習すると、上級者への近づいていきますよ。

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